ダイバーシティカレンダー用語集

DIVERSITY TERMS


本学ではダイバーシティに関する用語の解説を掲載した卓上カレンダーを教職員に配布し、学内理解の向上に努めています。

2024年度

4月 カラーユニバーサルデザインマーク (CUDマーク)
日本の男性の約5%は少数型の色覚を持っており、色の見え方が大多数の人と異なる。また、色の見え方は病気や老いによって変わることもある。CUD認証は、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)が行う第三者認証のことをいう。CUDマークは、色覚の個人差を問わず、誰でも簡単に識別できるカラーユニバーサルデザインに配慮して作られていると認定された製品や施設・建築物等に対し発行される。
5月 バリアフリー法認定特定建築物マーク
バリアフリー新法は、高齢者や障がい者等を含む多数の人が利用する施設のうち一定規模以上のものにはバリアフリー基準への適合を義務付けている。これに適合していることを認定された施設は、建物にマークを表示することができる。誰もが利用しやすいバリアフリー建築物であることを情報提供することで、利用者にとって利便性が高い施設としての認識が広がり、施設利用が促進される効果が期待できる。
6月 とま乗るエスカマーク
身体に不自由のある方や障がいのある方の支援者も、右側に立って乗るための啓発活動として作成されたシンボルマーク。エスカレーターは本来、左右のレーン関係なく立ち止まって乗るのがマナー。病気等で片側しか乗れない人、大きな荷物や杖を持つ人、けがをした人、手をつなぐ親子等、右側に立つ人の事情は様々である。同シンボルマークを付けてエスカレーターを使っている人がいたら配慮が必要である。
7月 補助犬同伴可ステッカー
身体障がい者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の施設への受け入れを示すマーク。盲導犬は白または黄色のハーネス(胴輪)が目印であり、介助犬・聴導犬は胴着等に表示をつけている。このマークは、広く一般に、補助犬を正しく理解してもらい、補助犬使用者が安心して施設を利用できることを願い作成された。
8月 障害者雇用支援マーク
障がい者の社会参加を理念に、障がい者雇用を促進している企業や促進したいという思いを持っている企業がどこにあるのか、就労を希望する方に少しでもわかりやすくなれば取り巻く環境もより整備されるのではないかと考え、(公財)ソーシャルサービス協会が障がい者の在宅障がい者就労支援並びに障がい者就労支援を認めた企業、団体に対して付与する認証マーク。企業と障がい者の橋渡しになれることを目指す。
9月 カームダウン・クールダウン
カームダウン・クールダウン(室・スペース)は、発達障がいや知的障がい、精神障がい、認知症等、光や音、人混みや周囲の視線が苦手な方が、エリアや部屋に入ることで気持ちを休ませ落ち着くことができるスペースをいう。空港等の「非日常」的な場所に行くと、慣れない移動や人の多さ、音、光、匂いから、ストレスや不安を感じる人も少なくない。静かな場所で周囲を気にすることなく休むことで、気持ちが落ち着くといわれている。
10月 APDマーク
聴覚情報処理障がい(APD)とは、声は聞こえるものの言葉として理解できない症状を指す。聴覚情報処理障がいを抱える人が周囲への配慮を求めやすいよう制作されたシンボルマーク。このマークを見かけたら、静かな場所で話す、口元が見えるように話す、一対一で話す、文字で伝える、等の配慮が必要である。正面を向いたコアラのイラストには、「顔を正面に向けてもらえれば会話しやすい」というメッセージが込められている。
11月 ユニバーサルデザインタクシーマーク
国が定めたUDタクシーマークの車両表示マーク。車両の認定基準として、乗降口の幅や高さ、スロープの勾配、手すりの形状・配色、床の材質・形状、車いすスペースや室内座席について細かな基準を設け、これらを満たした車両を星一つのレベル1とし、認定基準よりさらに望ましいとする項目まで満たすと星二つのレベル2の評価が与えられる。また、車椅子乗降用スロープの耐荷重が200kgまでの車はグリーン、300㎏まではピンクのシールで色分けされている。
12月 UDF(ユニバーサルデザインフード)ロゴマーク
ユニバーサルデザインフードとは、日常の食事から介護食まで幅広く食べやすさに配慮した食品のことで、高齢者だけでなく、歯の治療中で固いものが噛めない人や、病気や障がいで飲み込む力が弱い人にも食べやすい工夫がされている。UDFマークは、日本介護食品協議会が定めた規格に適合した商品だけにつけられており、商品パッケージには、マークと一緒に、「かたさ」や「とろみ具合」の段階に応じた4つの「区分」も表示されている。
1月 障害者のための国際シンボルマーク(車いすマーク)
障がい者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマーク。マークの使用については国際リハビリテーション協会の「使用指針」により定められている。駐車場などでこのマークを見かけた場合には、障がい者の利用への配慮が必要である。
※このマークは「すべての障がい者を対象」としたもので、特に車椅子を利用する障がい者を限定し、使用されるものではない。
2月 筆談マーク
ろう者、音声言語障がい者、知的障がい者や外国人等が筆談でのコミュニケーションの配慮を求めるときに提示したり、役所、公共及び民間施設・交通機関の窓口、店舗等、筆談対応が可能な場所が提示できる。また、イベント時のネームプレートや災害時に支援者が身に着けるビブス等に掲示することもできる。当事者がマークを提示した場合は「筆談で対応をお願いします」、窓口等が掲示している場合は「筆談で対応します」の意味になる。
3月 発達障害者への理解と支援を広げるためのシンボルマーク
発達障がいへの理解を広げるとともに、障がいを持つ方を中心に、支援者や家族をはじめとする方々がチームとなって支援の輪を広げていく機運を高めることを目的としている。マークは公募で選ばれ、大きいハートは支える人、小さいハートは発達障がいの人をイメージしており、支えるだけではなく手を握り合うことで協力し、ともに歩んでいこうという意味もある。

2023年度

4月 ハート・プラスマーク
「内部障がいのある方」を表すマーク。「ハート」は身体内部を意味し、そこに思いやりの心を「プラス」していきたい、という願いが込められている。内部障がい(心臓、呼吸器、腎臓、膀胱、直腸、小腸、肝臓、免疫機能)は外見からは分かりにくいため、電車などでは優先席は空け、周囲での携帯電話の使用を控えるなどの積極的な配慮が必要である。
5月 手話マーク
耳が聞こえない人が手話でのコミュニケーションの配慮を求めるときに提示したり、役所や店舗など、手話による対応ができる場所で掲示できる。また、イベント時のネームプレート携帯や災害時に支援者が身に着けるビブスなどに掲示することもできる。このマークを提示した場合は「手話で対応をお願いします」を意味し、窓口などが掲示している場合は「手話で対応します」などの意味になる。
6月 「白杖SOSシグナル」普及開発シンボルマーク(社会福祉法人日本視覚障害者団体連合推奨マーク)
白杖を頭上50㎝程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚障がいのある方を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマーク。赤は緊急性をイメージし、包み込む輪は支え合い、助け合いの絆を表している。また、視覚障がいのある方が危険に遭遇しそうな場合は、SOSのシグナルを示していなくても、積極的に声をかけよう。
7月 ヒアリングループマーク
ヒアリングループは補聴器などを使用されている方の「聞こえ」を支援する設備で、施設の床等にループアンテナを設置し、マイクの音を磁気に変え、その磁気を補聴器や人工内耳等が感知することで周りの騒音・雑音に邪魔されずに直接音声を聞くことができる。このマークにより、補聴器・人工内耳装用者に補聴援助システムがあることを知らしめ、利用を促している。
8月 介護マーク
介護をする方が、介護中であることを周囲に理解してもらうため、静岡県で考案されたマーク。介護家族から「認知症の人の介護は、外見では介護していることが分かりにくいため、誤解や偏見を持たれて困っている。介護中であることを表示するマークを作成してほしい」という要望に応え作られた。「介」の字は、人が人を支える形に描かれている。
9月 うさぎマーク
「耳の不自由な子どもたちも楽しめるよう配慮が施された玩具」に表示する。耳の不自由な子どもたちは、音が遊びの重要な要素となっている玩具の場合(ゲーム結果を音で通知など)、十分に楽しむことが出来ない。このマークが表示された玩具には、音と同時に光、振動、動き、文字、絵等の要素で遊びを盛り上げる配慮や、スイッチのON-OFF状態が光や振動などで明確に確認できるなどの工夫がされている。
10月 盲人のための国際シンボルマーク
世界盲人連合で1984年に制定された盲人のための世界共通のマーク。青地に白で視覚障がい者が右手に白杖を持って歩く姿をデザイン化している。視覚障がい者の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などに付けられている。信号機や音声案内装置、国際点字郵便物・書籍などでも見かける。このマークの歩行者用ボタンがある信号機は視覚障がい者が安全に渡れるよう時間が長めに調整されている。
11月 ほじょ犬マーク
身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)法の啓発のためのマーク。「身体障害者補助犬法」において、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設は、身体障がいのある方が身体障害者補助犬を同伴することを受け入れる義務がある。補助犬を同伴していても、使用者が困っている様子を見かけたら、積極的に援助を申し出よう。
12月 子ども車いすマーク(小児用介助型車椅子マーク)
外観ではベビーカーと判別しにくい子ども用車いすを判別するためのマーク。車いすの車体に表示することで子ども用車いすだと判別しやすくするほか、子ども用車いすの利用を認めている施設の入り口などに表示する。子ども用車いすは、医療機器を搭載している場合もあるため重量があり、折りたたむことは容易ではない。街なかで見かけたら、温かく見守り、困っている様子があれば声をかけよう。
1月 聴覚過敏保護用シンボルマーク
発達障がい者にも見られる「聴覚過敏(会話相手の声と周囲の環境音が同じ大きさで聞こえてしまったり、苦手な音があったりする症状)」への理解を促すマーク。聴覚過敏の特性を持つ人の多くは「イヤーマフ」をしており、一見ヘッドフォンに見えるため、マナーが悪いと誤解されるケースもある。このマークを見かけた場合、より音に敏感なので、大きな音を出さないなどの配慮が必要である。
2月 オストメイト用設備/オストメイト
オストメイトとは、がんなどでストーマ(人工肛門・人工膀胱)を造設している排泄機能に障害のある方を指す。このマークは、オストメイト用設備(オストメイト対応のトイレ)があること、及びオストメイトであることを表している。ストーマ保有者は外見上はほぼ分からないため、オストメイト設備を必要としている方が身がい者トイレや多機能トイレに入りづらく感じたり、注意されたりするのを防ぐ効果がある。
3月 耳マーク
発達障がい者にも見られる「聴覚過敏(会話相手の声と周囲の環境音が同じ大きさで聞こえてしまったり、苦手な音があったりする症状)」への理解を促すマーク。聴覚過敏の特性を持つ人の多くは「イヤーマフ」をしており、一見ヘッドフォンに見えるため、マナーが悪いと誤解されるケースもある。このマークを見かけた場合、より音に敏感なので、大きな音を出さないなどの配慮が必要である。

2022年度

4月 SDGs
途持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っている。
外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
5月 学校給食プログラム
途上国の学校で栄養価の高い給食を提供する国連WFPの活動。子どもたちの健全な発育を助けると同時に、就学率・出席率の向上に寄与している。学校給食プログラムの最終目標は、給食を提供している途上国の政府が国連WFPの給食支援から「卒業」し、自国の制度として独立した給食事業を継続的に運営することである。
6月 児童労働/児童兵士
義務教育を妨げる労働や法律で禁止されている18歳未満の危険・有害な労働等のこと。子どもたちの権利と健全な発達を侵害し健全な発達を阻害するだけでなく、貧困の連鎖を生み、地域の経済発展や社会の安定に悪影響を及ぼす。SDGsの目標8.7では「2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する」を掲げている。
7月 アンペイドワーク(無償労働)
家事・育児・介護等の家事労働、自営業・農作業等の家族労働、ボランティア活動を総称としてアンペイドワーク(無償労働)と呼ぶ。その多くが女性によって担われていることから男女間の様々な不平等を引き起こし、開発途上国では男性より女性の労働従事時間が多いにも関わらず、アンペイドワークであるため、女性の貧困が深刻な問題となっている。
8月 消極的平和/積極的平和
消極的平和:戦争反対、対立関係の解消など。平和を戦争や紛争のない状態と捉え、実際に目に見える暴力や、言葉で人を傷つけることがない状態をいう。積極的平和:新たな仕組みづくり、協力関係の構築など。経済的搾取や貧困、政治的な抑圧、差別、植民地主義など、社会構造の中で生み出された不平等な関係「構造的暴力」のない状態をいう。
9月 ESD
Education for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳す。今、世界には、環境・貧困・人権・平和・開発といった様々な地球規模の課題があり、これらの現代社会の課題を自らの問題として捉え、身近のところから取り組むことにより、課題解決につながる価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動である。
10月 ディーセントワーク
Decent Workは「働きがいのある人間らしい仕事」と訳し、「公正な所得、安心できる職場と家族の社会保障、自己啓発と社会的統合のよりよい見通しを提供できる生産的な雇用を誰もが得られる機会」を意味する。これらは、暮らしに希望をもたらすと同時に、貧困から抜け出す糸口ともなり、犯罪や紛争を防ぎ、平和な世界を構築することへとつながっていく。
11月 ジェンダーギャップ指数
世界経済フォーラム(WEF)が2006年から毎年発表している、各国における男女格差を測る指数(GGI)のこと。この指数は、「経済」「政治」「教育」「健康」の4分野のデータから作成されており、2021年の日本の総合スコアは0.656、順位は156か国中120位であり、先進国の中で最低レベルの結果となった。
12月 ヘイトスピーチ
人種、出身国、民族、宗教、性的指向、性別、容姿、健康(障がい)といった自らが主体的に変えることが困難な事柄に基づいて、属する個人または集団に対して攻撃、脅迫、侮辱する言動のこと。最近では、SNSの普及に伴い、インターネットを通じ匿名で行われることも少なくない。
1月 出生登録
子どもの国籍とその存在を公式に認めるものであり、子どもの権利条約第7条の下に定められている基本的な人権。正式な出生登録をされなかったり、身元証明書類がないと、子どもは保健や社会保障、教育などの重要なサービスから除外されることが多く、搾取や虐待を受けやすくなる。
2月 フェアトレード
開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易の仕組みのこと。労働条件や環境保護などにも配慮して行われる。日本で流通する認証製品や調達制度に参加する商品には、コーヒー、紅茶、チョコレート、コットンなどがあり、その数は年々増加している。
3月

2021年度

4月 ワーク・ライフ・インテグレーション
「ワーク(職業生活)」と「ライフ(個人生活)」を別のものではなく、人生の一部として統合的「インテグレーション」に捉え、「仕事」と「生活」の両輪を回すことで人生が豊かになるという考え方。ともすると仕事と生活を対立的に捉えるようにも見える、従来の「ワーク・ライフ・バランス(調和)」を一歩進めたもの。
5月 心理的安全性
「psychological safety」を和訳した心理学用語で、チームのメンバーが恐怖や不安を感じることなく、安心して発言・行動できる状態のこと。米Google社が自社の生産性向上のために調査する過程で再発見した言葉であり、「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表したことで大きな注目を集めた。
6月 受援力
人に「助けて」と言える力のこと。2011年の東日本大震災をきっかけに注目され、復興を早めるためには、被災地側が積極的に状況を伝え、助けを求め、支援を受ける力が必要であると知られるようになった。同様に、全ての人にとっても、困った時や苦しい時は遠慮せずに自分から「助けて」と声をあげることが大切であるということ。
7月 ブラック・ライブズ・マター(BLM)
黒人に対する暴力や構造的な人種差別の撤廃を訴える運動。2012年に米国フロリダ州で黒人少年が白人警官に撃たれ死亡した事件に端を発し、SNS上で#BlackLivesMatterというハッシュタグが拡散されたことが始まり。
8月 ワールドカフェ
「カフェにいるような気軽な雰囲気」で「会議のような真剣な討議」を可能にするために考案された新しい話し合いの方法。メンバーを替えながら少人数でテーブルを囲み、リラックスして意見を交わすうちに、その場にいる全員と対話するのと同様の効果をもたらし、相互理解が深まる。
9月 エニアグラム
ギリシャ語で9の意味を持つ「エニア」と図の意味を持つ「グラム」の合成語で、人間の性格を9つのタイプに分類した概念。自己理解や他者理解のツールとして、ビジネス、コーチング、カウンセリング、教育など様々な分野で取り入れられている。
10月 国際ガールズ・デー
児童婚、ジェンダー不平等、女性に対する暴力など、世界中の若い女性たちが直面している問題に取り組むことを訴えるために国連が定めた日。10月11日の「国際ガールズ・デー」には、世界各地で女子自らが声をあげ、彼女たちを応援するイベントやアクションが行われる。
11月 アウティング
性的指向や性自認を本人の了解なく第三者に暴露する行為。当事者に対する「精神的な攻撃」であると同時に「個の侵害」に該当するハラスメント行為である。2020年6月パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が施行され、企業にSOGIハラやアウティングの防止策が義務づけられた。
12月 ヘルプマーク
義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、妊娠初期の方など、外見から分からなくても支援を必要としている方々が身に付けることで、援助や配慮を得やすくなるよう、東京都が作成したマーク。
1月 同調圧力
集団において、少数意見を持つ人に対し、周囲の多くの人と同じように考え行動するよう暗黙のうちに強制すること。地域社会、職場、学校、クラブ、サークルなどあらゆる集団の中で起こる心理的な圧力。特に日本は、「和」を重んじるために海外に比べ同調圧力が強いとされている。
2月 食のタブー
飲食において宗教、文化上の理由でタブー(禁忌)とされる特定の食材や食べ方のこと。世界の少なくとも1/3の人は、信条や宗教によって食べてはいけないもの「食のタブー」をもっている。例えば、イスラム教における豚肉・アルコールや、ヒンドゥー教における牛肉・豚肉など。
3月 QOL
「Quality of Life」の略称で、「生活の質」「人生の質」と訳す。身体的、精神的、社会的、経済的な面すべてを含めた生活の質を意味し、総合的な生きがいや満足度、活力といった意味も含まれている。介護・福祉など医療の現場でよく活用される。

2020年度

4月 LGBTQ
「L」レズビアン、「G」ゲイ、「B」バイセクシュアル、「T」トランスジェンダー、「Q」クエスチョニング(性的指向や性自認が定まっていない人)の頭文字を取った性的マイノリティの総称。
5月 クロックポジション
視覚障がい者に対して、物の位置を時計の短針に例えて説明する指示方法。視覚障がい者から見て右側が3時、左側が9時、手前が6時、奥側が12時となる。介護者が手を取って一緒に確認したり、さりげなく見守ったりするなどの配慮が大切。
6月 アサーティブ・ コミュニケーション
「自己主張する」という意味のassertivenessから派生。自分の意見を無理に押し通すのではなく、相手の意見も尊重しながら、率直に対等に思っていることを話す姿勢をいう。アメリカでの人権擁護の思想と運動が土台となっている。
7月 ポジティブ・オフ
休暇を取得して外出や旅行などを楽しむことを積極的に促進し、休暇(オフ)を前向き(ポジティブ)にとらえて楽しもうという運動。短期的には電力需給対策としての節電と地域経済活性化の両立、長期的には、ワーク・ライフ・バランスの実現といった変革につながる。
8月 パラリンピック
国際パラリンピック委員会が主催する、身体障がい者(肢体不自由、脳性麻痺、視覚障がい、知的障がい)を対象とした世界最高峰の障がい者スポーツの総合競技大会。オリンピックと同じ年に同じ場所で開催されるのが通例。
9月 音声コード
印刷物に掲載された文字情報を約2cm四方の二次元コードに変換したもの。専用の読み取り装置を使用することで、記録された情報を音声で得ることが可能。音声で情報を発信できるツールの一つとして、ユニバーサルデザインの観点からも大変注目されている。
10月 オピニオンダイバーシティ
組織の一人ひとりが個性的で多様な見方・意見を表明することで、相乗効果を生み出したり意思決定に活かしていこうとする考え方。他人と違う意見を発信して良い、という風土は社員に安心感を与え、職場の心理的安全性の向上や社員の働きがいに繋がるとされる。
11月 ヘリコプターペアレント
モンスターペアレントの一種。子供の頭上を旋回するヘリコプターのように子供に付きまとい、親の過干渉で子供や周りの人達に迷惑をかけたりする、過干渉・過保護な親のこと。
12月 遠距離介護
離れて暮らす親が出来るだけ自立した生活を送れるよう支援したり、現状よりも介護の度合が重くならないよう予防すること。電話で話し相手になったり、定期的に訪問することなどが行われる。ケアマネジャーや医師との積極的なコンタクトも重要とされる。
1月 カラーユニバーサルデザイン
多様な色覚(先天的な色覚多様性、白内障、緑内障など)に配慮して、情報がなるべく全ての人に正確に伝わるように、利用者の視点に立ってデザインすること。
2月 ジョブ・リターン制度
結婚・出産・介護などを理由に退職した社員を、本人の希望により再雇用する制度。働く側はキャリアを活かしての復職、企業側は即戦力の確保、と労使双方に大きなメリットがある。
3月 プレイヤールーム(礼拝室)
祈り、祈祷、黙祷、瞑想、物思いなど、静かな環境の下での精神活動のために誰でも利用出来る空間のこと。最近では、主要空港や駅ターミナルだけでなく、ホテルやレストラン、百貨店といった商業施設でも徐々に設置され始めている。

2019年度

4月 小1の壁
子どもが保育園から小学校に上がる際、放課後の預かり先をめぐり直面する社会的問題。厚生労働省と文部科学省は2018年9月、待機児童解消を目指し「新・放課後子ども総合プラン」を公表。
5月 男女混合名簿
学校で男女別になっている名簿を男女混合にすること。名簿が男女別の場合、男子が女子よりも先に呼ばれることが多く、女子は男子の後というメッセージが無意識のうちに生徒の中に内面化されてしまう。
6月 SOGI
Sexual Orientation and Gender Identityの頭文字のことで、「性的指向(好きになる性)」と「性自認(心の性)」に関わる概念である。これに対して、LGBTがレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーという「誰」を指す。
7月 クォータ制
男女間の格差を解消するため、女性の割合をあらかじめ定め、人数バランスの是正を図っていく制度。今まで出産や育児というライフイベントで敬遠されがちであった女性の積極登用を促し、企業の多様性を後押しできる。ポジティブアクションのひとつ。
8月 介護離職
家族の介護や看護のために退職、転職すること。働き盛りの労働者の離職は企業にとって損失が多く、介護離職者が経済的に困窮するなど、社会問題化している。国は「介護離職ゼロ」を目指し、制度の充実を図っている。
9月 ダブルケア
子育てと親や親族の介護が同時期に発生すること。晩婚化、晩産化、高齢化の影響で、子育てと介護を同時期に行う人「ダブルケアラー」が増えている。
10月 固定的性別役割分担意識
「男は仕事、女は家庭」というように、家庭、職場などあらゆる場面で性別によって役割を分業・分担すること。日本においては、こうした男女に対する固定的な役割分担意識が根強く残っており、男性・女性どちらにとっても負担を与えている。
11月 ノーマライゼーション
障がい者や高齢者、社会的弱者と呼ばれる人たちと同じ目線、同じ立場で生活できる社会を作っていこうという考え方。ユニバーサルデザイン、バリアフリーも社会のノーマライゼーションを実現するために生まれた言葉。
12月 エンパワーメント
「力(権限)を与える」という意味のempowerから派生。組織を構成する一人ひとりが力をつけ、自らの意思決定により自発的に行動していこうとする考え方。1980年代における女性の権利獲得運動のなかで使われるようになった言葉。
1月 インクルージョン
包括。一体性。多様な人々がそれぞれの経験や能力、考え方を認められ活かされている状態。もともとは、社会福祉の分野で提唱されていた。近年は、ダイバーシティ&インクルージョンの重要性が経営層にも認知され始め、様々な企業が施策として取り入れ始めている。
2月 メンター・メンティー
メンター…新入社員や後輩に対し、職務上の相談にとどまらず、人間関係、生活上の様々な悩みなど個人的な問題まで広く相談に乗り、助言を与える人をメンター(mentor)と呼ぶ。 メンティー…メンターへ相談する人。メンターから指導・支援を受ける人を「メンティー」(mentee)と呼ぶ。
3月 隠れたカリキュラム
教育におけるジェンダー問題として、学校生活の中で親や教師等の行動や意識などが、無意識のうちに子どもに伝授されるカリキュラムのこと。例えば、クラス名簿、生徒の呼び名(「さん」「くん」)、制服の着用など。

2018年度

4月 ガラスの天井
「グラスシーリング」(glass ceiling)の訳。女性であることを理由に昇進を妨げられる等の不当な状態を、目には見えない障壁になぞらえた比喩表現。「見えない天井」。 最近は女性だけでなく、マイノリティの地位向上を阻む意味でも用いられる。
5月 ダイバーシティ
多様性。英語の「diversity」。元々は女性や社会的マイノリティの積極的な採用・差別のない処遇を実現するために広がった。現在は、性別・人種に限らず、年齢、性格、学歴、価値観など、多様な人材を活かし、最大限の能力を発揮させようという考え方をいう。
6月 ポジティブアクション
性別等による役割分担意識や、過去の経緯から、職種を制限されたり、管理職に女性が少ない等の男女に生じた差を解消するため、雇用や教育等において個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組のこと。特別枠や優遇措置を設けることをいう。積極的格差撤廃措置。
7月 ジェンダーギャップ指数
世界経済フォーラム(WEF)が毎年公表している各国の社会進出における男女格差を示す指標。世界男女格差指数。GGGI(GlobalGenderGap Index)。ジェンダー間の経済的参加度および機会、教育達成度、健康と生存、政治的エンパワーメントという四つのの指標を基に格差を算定、ランク付けされている。
8月 パリテ
「パリテ」(parité)とは、「同等・同一」の意味のフランス語であり、2000年に制定された、選挙の候補者を男女同数とすることを定めたフランスの法律の通称
9月 男性学
男性が男性故に抱える問題を研究する学問。フェミニズム、女性学に刺激されて一九九〇年代に登場した新しい学際的な学問領域。近年は必ずしも女性学の成果を前提としない研究も出てきている。
10月 パタニティ・ハラスメント(パタハラ)
英語の「paternity(父性)」と「harassment(嫌がらせ)」を組み合わせた日本の造語で、育児参加を希望する男性へのパワーハラスメントの一種。ワークライフバランスの実現を阻み、離職や仕事の生産性を低下させる原因と位置づけている
11月 アライ
英語で「同盟、支援」を意味するallyが語源で、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)ではないが、LGBTの人たちの活動を理解し、支援している人たちのこと。通常、ストレート・アライと呼ばれる。
12月 えるぼし・くるみん
えるぼし…女性の活躍推進の状況などが優良な企業に与えられる認定制度。 くるみん…「子育てサポート企業」として厚生労働大臣から認定を受けた企業が、商品などに表示することのできるマーク。いずれも女性活躍の指針として注目されている。
1月 イクボス
子育てに積極的に関わる男性をイクメンと呼ぶのに倣い、部下のキャリアと人生を応援し、仕事と生活の両立が図りやすい環境の整備に努める上司(経営者・管理職)のこと。
2月 ワーク・ライフ・バランス
「仕事と生活の調和」。仕事と生活のどちらかを犠牲にすることなく、それぞれの事情や状況に合わせ、多様な生き方・働き方の選択・実現を目指す考え方。政府の働き方改革により注目されている。
3月 アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)
「無意識の偏見」「無意識の思い込み」と訳される誰もが潜在的に持つバイアス(偏見)のこと。過去の経験や習慣、環境などから知らず知らずのうちに身について自覚ができないため、自制することが難しいともいわれている。